【本能寺の変】麒麟がくる(最終回)での伏線回収が凄すぎたのでご紹介させて頂きます!
https://youtu.be/4qNcEJku-lE
「敵は、本能寺にある。その名は織田信長」
「敵は斎藤高政さま」
細川玉(ガラシャ)との最後の会話シーンの意味とは?
桑田真似解説
麒麟がくるの伏線解説
【ナレーション】
はい、どーも歴史ファンの桑田真似です。
先日は「麒麟がくる」最終回「本能寺の変に至るまでの「是非もなし」という名言の伏線についてお話させて頂いたのですが、
その後もいくつか伏線が見付かったので、その紹介と今回の大河ドラマでの登場人物の描写がこれまでの通説と違っている点もご紹介させて頂こうと思います。
では、まずはこのシーンはどこだったか覚えているでしょうか?
これだけで分かった方は凄いです!もう僕がお話することは何もないですね。
これが第何話なのか言えば思い出す方も多いかもしれませんね。
これは第17話「長良川の対決」のものです。
主君、斎藤道三と長男高政(のちの「義龍」)が戦うとなった時に、最初光秀は「どちらにも味方しない。」と言っていたのですが、結局叔父の光安が斎藤道三の陣に
参加する事になったのもあり、負け戦が決まっている主君道三に味方すると決めた時のセリフなんですよね。覚えているでしょうか?
何と言ったかというと
「敵は斎藤高政さま」だったんですね。
ここでも最終回「本能寺の変」に繋がる伏線が撒かれていた訳ですね。これはマニアでなくても、気付いた方は多かったんじゃないでしょうか。
「敵は、稲葉山城にあり」と言うとあからさまなので、個人名を挙げて、「高政さま」と「さま」を付けることで、幼馴染でもあり、今の領主に対しての畏敬の念も込められているセリフになったのかなと思いました。
そしてこの「敵は本能寺にあり。」っぽいセリフを受けて、最終回では光秀は何と言うのかなと注目していたわけですけども、
第43回の最後の次回予告では、何と「敵は、織田信長と申す。」と言ってたんですよね。
あれ?「敵は本能寺にあり。」言わないの?前フリしておいて、裏切るパターンなの?と思って、俄然興味が出て、それからの一週間ずっと
ワクワクと言いますか、興味津津の「シンシン」としていたんですよ。まぁ、楽しみにしてたと言うことです。
そして、蓋をあけて観てみたら、最終回ではこー言ってたんんですね。
「我が敵は本能寺にある。その名は織田信長と申す。」
もの凄い丁寧な言い方ですね。今までのイメージだと鎧を来ていきり立った状態で、兵士を鼓舞する感じで叫んでたと思うのですが、
今回は「覚悟を決めた後」の迷いの無い落ち着いた状況で描かれてましたね。
僕は「なるほど、そーきたか。」と関心させられた訳ですね。
この今回の敵発表に至るまでに、信長に「将軍足利義昭を殺せ」と無茶な命令を言い付けられるんですよ。
これは光秀にとってどうしても受け入れられないんですよね。とゆーのも、光秀は武家の「棟梁である足利家」を支えたかったんですよ。
だから光秀は「信長は将軍家を助けてくれるかも。」と期待して信長に仕えていた訳で、根本は将軍家の為に尽くしたかったんです。
それが、信長に「殺せ」と命じられたんでは本末転倒ですよね。
このあたりの伏線は第6回「三好長慶襲撃計画」にありますので、気になった方は見返してみて欲しいですね。
動機に関しては諸説あるのですが、今回は「将軍家に忠義を尽くしたかったから」説に沿ってストーリーが作られていたように思えます。
※話は反れますが「朝廷黒幕説」もなかなか説得力があり面白いので、興味あれば概要欄のリンクから飛んでもらえればと思います。
結局だれも目撃者はいないので真実は分からないです訳ですから、僕は大河ドラマは史実に忠実である必要は無いと思ってまして、これだけ今まで擦られ続けて来た事件なので、もうみんなストーリは知ってると思うんですよね。
その知られ尽くしてるストーリーを今回はどう描くんだろう?どうやって予想を裏切ってくれるんだろう?もしくは裏切らずそのまま
ストレートに通説通りやるの?またはどこまで撮るんだろう?という制作サイドの見方をしていまして、表現方法に興味があるんですよね。
ただ、今回の作品では信長の口癖の「で、あるか」を全く言わなかったり、今川義元は白粉もお歯黒も一切してなかったり、平蜘蛛は松永久々と爆死しなかったり、通説と違った
設定になっていたので、もしかして「敵は本能寺にあり。」も言わないんじゃないかなと思ってたりもしたんですよね。
そしたら
「我が敵は本能寺にある。」という若干アレンジしたバージョンだったんですね。
スライダーほど大きく変化しないけども、カットボールみたいに小さく変化させられたって感じですかね。。まぁ分かり辛いと思いますが(~_~;)
あーなるほど、ちゃんと第17回の「敵は斎藤高政さま」の伏線をちゃんと回収しましたね。と思いました。
あと、信長には「さま」を付けてないところもポイントかと思いましたね。
他にも伏線というか、前もってちょい出しされていたのが第5話「伊平次を探せ」でしたね。
刀鍛冶の伊平次を探していたら、本能寺にいるというので、行ってみたシーンがこちらです。
この画を序盤で見せておいて、最後にもう一度見せて対比がしたかったのではないでしょうか。
恐らく、伊平次というのは実在しないのですが、鉄砲を解体できる職人を作って、本能寺に足を運ばせる設定だったんでしょうね。
そして、最後までキーマンとなる細川藤孝との出会いもここで作り、ちょっと刀を交えてみたり、
おまけに足利義輝とも偶然会ったりしましたね。
序盤はこういった新しい登場人物紹介が多くて、今後どうからんで行くのかワクワクしましたね。
そして、また最終回の戻りますが、謀反を心に決めた光秀が娘の玉に最後の別れを言いに来たシーンですね。
その中で光秀がこう言うんでうね。
「そういうお方(細川忠興)が戦に出ずとも良いようにせねばならんなー」
それを受けて玉は
「きっと、そなたの父君がそういう世を作って下さると。」忠興様がいつも言われます。
と言うんですね。
これは考えすぎかもしれませんが、今回光秀は四国平定の秀吉の援軍で出発する準備をしていまして、
玉の夫である細川忠興はお父さん(細川藤孝)に代わって、同じく四国の毛利征伐に行く準備をしていたんです。
そんな中、本能寺の変を起こした光秀によって、非肉な事に細川忠興は戦に行かなくてよくなってしまったんですよね。
なんだったら、お父さんの細川藤孝に山崎の合戦にも行くなと止められてたのかもしれません。
これは深読みかもしれませんけどね。でも敢えてこのシーンを作ったという意図は絶対にあると思うんですよね。
では最後にもう一つ、伏線を紹介しますね。
本能寺前に家来に「我が敵は本能寺にある。その名は織田信長と申す。」に言った時、家来は何と返事したか
覚えてますかね?
部下は「みな、同意にござります。」と光秀の意図をすぐに理解して同調したんですよね。
ところが、斎藤道三が主君土岐頼芸を討つと言った時、「意義があるものは避れ」と部下に言った時、
誰も立ち去りはしなかったんだけど、ほとんどの家来は賛成してなかったんですよね。
斎藤道三と明智光秀の部下からの信頼といいますが、絆の対比も描かれていて興味深かったですね。
まぁ今回は今までのような謀反人とか野心家の明智光秀像とは違い、忠義の士といったキャラクターで描かれていた
「麒麟がくる」とても良くできた作品だったと思います。
そして通説では信長の死を知って泣き崩れたとされている
秀吉とは違い、信長は殺されるかもしれないという知らせを事前に手に入れ「おもしろい」と野心を覗かせた秀吉も描かれて
いて意外性がありましたね。
そんなこんなで色んなところで裏切りがあった、そんな作品だったと思います。それではまたー