【本能寺の変】麒麟がくる(最終回)での伏線回収が凄すぎたのでご紹介させて頂きます!
「敵は、本能寺にある。その名は織田信長」
「敵は斎藤高政さま」
細川玉(ガラシャ)との最後の会話シーンの意味とは?
桑田真似解説
はい、どーも歴史ファンの桑田真似です。
先日は「麒麟がくる」最終回「本能寺の変」での「是非もなし」という織田信長の名言の、伏線についてお話させて頂いたのですが、
その後もいくつか伏線が見付かったので、その紹介と今回の大河ドラマでの登場人物の描写がこれまでの通説と
違っている点などもご紹介させて頂こうと思います。
では、今回1つ目の伏線からいきましょう。
このシーンはどこだったか覚えているでしょうか?
これだけで分かった方は凄いです!
僕がお話するには、恐れ多いレベルの方だと思われます。
それ以外の方は、恐らく第何話か言えば思い出せるのではないでしょうか?
これはズバリ第17話「長良川の対決」のものです。
主君、斎藤道三と長男高政(のちの「義龍」)が戦うとなった時に、最初光秀は「どちらにも味方しない。」と言っていたのですが、
結局叔父の光安が斎藤道三の陣に参加する事になったのもあり、負け戦が決まっている主君道三に味方すると決めた時のシーンなんですが、
ここで光秀は何というセリフを言ったか。覚えているでしょうか?
何と言ったかというと
「敵は斎藤高政さま」だったんですね。
ここで僕は、最終回の「敵は本能寺にあり」に繋がる伏線だなと思ったんですね。。
これはマニアでなくても、気付いた方は多かったんじゃないでしょうか。
「敵は、稲葉山城にあり」と言うとあからさまなので、「高政」という個人名を挙げて、更に「さま」を付けることで、幼馴染でもあり、
今の領主に対しての畏敬の念も込められているセリフになっているんだと思いました。
そしてこの「敵は本能寺にあり。」っぽいセリフを受けて、最終回では光秀は何と言うのかなと注目していたわけですけども、
第43回の最後の次回予告では、光秀は何と「敵は、織田信長と申す。」と言ってたんですよね。
あれ?「敵は本能寺にあり。」言わないの?前フリしておいて、裏切るパターンなの?と思って、俄然興味が出て、それからの一週間ずっと
ワクワクと言いますか、興味津津の「シンシン」としていたんですよ。まぁ、楽しみにしてたと言うことです。
そして、蓋をあけて観てみたら、最終回ではこー言ってたんんですね。
「我が敵は本能寺にある。その名は織田信長と申す。」
もの凄い丁寧な言い方ですね。
今までのイメージだと鎧を着て、いきり立った状態で、兵士を鼓舞する感じで叫んでたと思うのですが、
今回は「覚悟を決めた後」の迷いの無い心境を表していたように思います。
それで僕は「なるほど、そーきたか。」と関心させられた訳ですね。
光秀は敵を信長と決断するに至るまでに、信長に「将軍足利義昭を殺せ」と無茶な命令を言い付けられるんですよ。
これは光秀にとって、どうしても受け入れられないんですよね。
とゆーのも、光秀は武家の「棟梁である足利将軍家」を支えたかったんですよ。
だから光秀は「信長は将軍家を助けてくれるかも。」と期待して信長に仕えていた訳で、根本は将軍家の為に尽くしたかったんです。
その手段として信長に仕えていただけという位置づけなんですよね。
それが、信長に「殺せ」と命じられたんでは本末転倒ですよね。
このあたりの伏線は第6回「三好長慶襲撃計画」にありますので、気になった方は見返してみて欲しいですね。
動機に関しては諸説あるのですが、今回は「将軍家への忠義で謀反した」説に基づいてストーリーが作られていたように思えます。
※話は反れますが「朝廷黒幕説」もなかなか説得力があり面白いので、興味あれば概要欄のリンクから飛んでもらえればと思います。
結局だれも目撃者はいないので真実は分からないです訳ですから、僕は大河ドラマは史実に忠実である必要は無いと思ってまして、
これだけ今まであらゆる角度から描かれ続けて来た大事件なので、もうみんなストーリは知ってると思うんですよね。
その知られ尽くしてるストーリーを今回はどう描くんだろう?どうやって予想を裏切ってくれるんだろう?
もしくは裏切らずそのまま通説通りやるのか?またはどこまで撮り続けるんだろう?どこでオチをつけるのか。
という制作サイドの見方をしていまして、描き方に興味があったんですよね。
ただ、今回の作品では信長の口癖の「で、あるか」を全く言わなかったり、今川義元はオシロイもお歯黒も一切してなかったり、
松永久秀は平蜘蛛と爆死していなかったり、通説と違った設定になっていたので、
もしかして「敵は本能寺にあり。」も言わないんじゃないかなと思ってたりもしたんですよね。
そしたら
「我が敵は本能寺にある。」という若干アレンジしたバージョンだったんですね。
これはスライダーほど大きく変化しないけども、カットボールみたいに小さく変化させたって感じですかね。。
まぁ分かり辛いと思いますが(~_~;)たまに僕はこーゆー事を言います。。
ま、とにかく最終回を見て「あーなるほど、やっぱり第17回の「敵は斎藤高政さま」は伏線だったんだと確信したんですよね。
あと、斎藤高政には「さま」は付けてたけど、信長には「さま」を付けてないところもポイントかと思いましたね。
他にも伏線というか、前もってちょい出しされていたのが第5回「伊平次を探せ」でしたね。
刀鍛冶の伊平次を探していたら、本能寺にいるというので、行ってみたシーンがこちらです。
この画を序盤で見せておいて、最後にもう一度見せて対比がしたかったのではないでしょうか。
恐らく、伊平次というのは実在しないのですが、鉄砲を解体できる職人を作り上げて、本能寺に足を運ばせる理由を作ったんでしょうね。
そして、最後までキーマンとなる細川藤孝との出会いもここで作って、ちょっと刀を交えて戦ってみたり演出があったと思います。
おまけに足利義輝(よしてる)とも偶然会ったりしましたね。
序盤はこういった新しい登場人物紹介が多くて、今後どうからんで行くのかワクワクさせられました。
そして、また最終回の話に戻りますが、謀反を決意した光秀が娘の玉に最後の別れを言いに来たシーンですね。
その中で光秀が玉にこう言うんでうね。
「そういうお方が、戦に出ずとも良いようにせねばならんなー」
この、「そういうお方」というのは玉の夫の細川忠興の事ですね。
それを受けて玉は
『「きっと、そなたの父君がそういう世を作って下さると」忠興様がいつも言われます。』
と言うんですね。
これは考えすぎかもしれませんが、今回光秀は中国地方の毛利攻めで苦戦している秀吉の援軍に向かうところだったんですね、
そして玉の夫である細川忠興はお父さん(細川藤孝)に代わって、同じく四国の毛利征伐に行くことになってたんですよ。
そんな中、本能寺の変を起こした光秀によって、非肉な事に細川忠興は「戦に出ずとも良いようになってしまった」んですね。
なんだったら、お父さんの細川藤孝に山崎の合戦にも行くなと止められてたのかもしれません。
これは深読みかもしれないのですが。でも敢えてこの玉との最後の会話シーンを作ったという意図は絶対にあると思うんですよね。
ま、人それぞれ感じ方があると思いますが、この意図が見えてくると作品を深く感じれるような気がして面白いんですよね。
では、最後にもう一つ伏線を紹介しますね。
本能寺に行く前に、光秀は家来に
「我が敵は本能寺にある。その名は織田信長と申す。」
と言った時、家来は何と返事したか覚えてるでしょうか?
家来は「みな、同意にござります。」と光秀の意図をすぐに理解して同調したんですよね。
ところが、斎藤道三が、主君土岐頼芸(よりのり)を討つと言った時、
「意義があるものは去れ」と国衆や家来に激しく言ったんですよね。
その時、誰も立ち去りはしなかったんですけど、息子高政を含め、ほとんどの家来は同意してなかったんですよね。
これは斎藤道三と家来の関係と、明智光秀と家来との信頼関係といいますか、絆の強さの違いを
表現していたのではないかなと思いました。
そして通説では信長の死を知った秀吉は泣き崩れたとされているのですが、
今回は「信長は殺されるかもしれない」という知らせを事前に手に入れ、「おもしろい」と野心を覗かせた秀吉も描かれて
いてたりして意外でした。ね、悪そうな顔してますよね。
一方明智光秀はこれまでの通説のような「謀反人」とか「野心家」といったキャラではなく、
「忠義の士」といった人物像で描かれていた訳ですよね。
そんなこんなで、この大河ドラマ「麒麟がくる」ですが、色んなところで「裏切り」があったんじゃないでしょうか。
それではまた。